一目五山の絶景32選
フォトコンテスト2017
2017年秋、妙高戸隠連山国立公園のお気に入りの山の風景と農村や湖沼などの風景がセットになった「一目五山」の絶景スポットを募集しました。そして、32番目に誕生した国立公園を記念し、一般公募及び協議会構成員推薦の写真の中から、32選を選定しました。
美しい四季折々の風景をご覧ください。
一目五山とは
当国立公園には、個性的な形の山が多く、「一目」ですぐにわかる山がたくさんあります。「五」は「たくさん」の意味。「五山」は決まった山ではなく、2つ以上の山が一目で見えていれば、それが「一目五山」の風景です。
平成27年の国立公園誕生を記念してつくった言葉であり、この美しい風景を、多くの皆さまに知っていただきたいと考えています。
こちらもご覧ください⇒ 「火山・非火山の結集地」が生んだ絶景〝一目五山〟
作品一覧
審査委員長 総評
審査をしてみて、妙高戸隠連山国立公園の山々が、その所在する市町村はもちろんのこと、とても広い範囲でランドマークとなっていることに改めて驚かされました。一般からの応募に、妙高戸隠連山国立公園連絡協議会の構成員からの推薦も加えた百数十点の写真は、実に多様な視点と多彩な資源の組み合わせでした。今回はその中から、山岳の風景に加え、それと引き立てあう関係にある農村風景や水辺、高原など、あまり観光ガイドなどでは目にしない風景を「発掘する」という観点から選定作業を進めました。国立公園の豊かな自然との関係でなりたっている地域のなりわいについては、とくに重視して選んでいます。また、国立公園を取り巻くなるべく広範な地域を包むようにすることにも留意しました。そのため、すでに有名になっている視点の中には外れたものもありますが、面白い見方や見る時間帯の選び方によって、これまでと違った魅力や思いがけない自然の表情を引き出そうとしたものは選定されている場合もあります。
大賞に選ばれた作品「収穫」は、今回の募集テーマのまさに王道をいく作品となりました。秋晴れのもと重々と実った稲の刈り取り作業をとらえた写真は、五山の麓に広がる人々の営みが、地域の風景を鮮やかに彩ってくれていることを非常によく表しています。初秋の頃に訪れて、地元産の新米のおにぎりを抱えて里山ハイキングに出かけたくなる、そんな魅力を伝える写真です。大賞以外にも、遠景の山々をバックにリンゴやそばなど様々な農業の営みが展開する写真が、この地域の「おいしさ」を表現する作品として入選しています。
惜しくも次点となった「晩秋」は、山懐に抱かれた笹ヶ峰の高原を一望できる高台からの写真です。白くなりかけた山の頂から高原の木々に広がる紅葉へと見事なグラデーションを描いており、実に美しい一瞬を切り取っています。まだあまり知られていないけれども、一目見たさに一足伸ばしたくなる視点を提供してくれました。
そのほか、32選に入選した作品には毎日のランニングや散歩とともにある五山の風景から、頑張って登らないとたどり着けない山岳からの眺めまで、日常と非日常の楽しさが織り込まれています。また、山岳の形の多様さはこの国立公園の最大の特徴ですが、少し離れた千曲川右岸沿い一帯からはそれがシルエットのように遠景に浮かび上がり、地域のアイデンティティとなっています。これらの国立公園を含んでいない自治体からの風景もいくつか選定しました。山岳との相性がよい水辺からの作品も多数入選しています。野尻湖周辺はその代表ですが、ほかにも大小様々の池や川辺が抜群のビューポイントとして愛されていることが、入選作から見てとれます。
ひとまずこのような形で32選を選びましたが、これは国立公園の風景を「使い込む」ための始まりです。この32選を見て、もっといいところがある、こちらも負けてないぞ、とあちこちから優れた風景が名乗りをあげて、風景自慢を繰り広げてほしいのです。そして、その風景の中でなりわいを続けている人たちは、この風景を作っているのは自分たちだということもどんどん誇ってほしいのです。それが妙高戸隠連山国立公園を訪れる人たちへの最高のもてなしにつながるのだと思います。
- 審査委員長 富山大学芸術文化学部准教授 奥 敬一
撮影場所を訪れる際の注意
- ゴミを捨てないでください。
- 花や植物を採らないでください。
- 農地や私有地への立ち入りはご遠慮ください
- 駐車にあたっては、周辺住民の方の迷惑とならないよう、十分ご注意ください。